縁故採用・リファラル採用・出戻り採用とは?「人の縁」を活用した手法のポイント

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縁故採用・リファラル採用・出戻り採用とは?「人の縁」を活用した手法のポイント

2025年10月20日

縁故採用・リファラル採用・出戻り採用とは?「人の縁」を活用した手法のポイント

「人の縁」を活用した採用手法には、縁故・リファラル・出戻りの3つがあります。いずれも「知っている人だからこそ」のメリットがある一方で、デメリットや注意点も少なくありません。そもそも、「この3つは何が違うのか」「自社では、どれから着手すべきか」と疑問に思う方も多いでしょう。

この記事では130社以上の採用支援実績がある弊社ユウミの経験をもとに、縁故採用・リファラル採用・出戻り採用とは何か、それぞれの特徴やメリット・デメリットの違いを解説します。成功のポイントや早期退職を防ぐコツもあわせて紹介するので、中小企業の人事担当者や採用担当者の方はぜひ参考にしてください。

【編著者】小口正史

株式会社日本経営や株式会社リクルートキャリア(現・株式会社リクルート)で、採用支援コンサルティング等に従事。福祉事業の開業支援コンサルティングを経て、採用コンサルティング会社に取締役として参画後、ユウミを設立。

独自理論による採用手法で、人口減少地域や高難易度職種の採用を次々に成功。過去4年で130社を支援し、顧客満足度・採用成功率ともに97%以上。現在スタッフ25名、随時75社ほどの企業様を継続支援し、多くの実績を上げている。

縁故採用・リファラル採用・出戻り採用とは

まずは、縁故採用・リファラル採用・出戻り採用の基礎知識として、以下の3つを解説します。


それぞれ詳しく見ていきましょう。

意味

縁故採用・リファラル採用・出戻り採用の意味は、下表の通りです。

意味
縁故(えんこ)採用 親族・知人など、自社や経営者との個人的なつながりがある人を採用する手法
リファラル採用 従業員が知人・友人を自社へ紹介し、その推薦をもとに採用選考を行う手法
出戻り採用※ 以前自社に在籍していた従業員を再び採用する手法

※アルムナイ採用とも呼ばれる


なお、いずれも実施率は6割を超えており、多くの企業が優秀な人材の獲得に向けてさまざまな手法を活用していることが分かります。

参考:株式会社マイナビ|中途採用状況調査2020年版(2019年実績)>>

特徴の違い

縁故採用・リファラル採用・出戻り採用の特徴について、下表の7点から比較してみましょう。

縁故採用 リファラル採用 出戻り採用
1.対象 経営者や役員の親族・知人など 従業員が推薦する知人・友人・元同僚など 自社を退職した元従業員
2.導入のしやすさ 属人的で制度化しにくい リファラル制度として運用しやすい アルムナイ制度として運用しやすい
3.即戦力度 個人差が大きい 中~高い 高い
4.定着率 不安定 中~高い 高い
5.採用コスト 低い 低い~中 低い
6.公平性 低い 中~高い 高い
7.イメージ ネガティブ(コネなど) ポジティブ ポジティブ

縁故採用は公平性に課題が残りやすい採用手法であり、即戦力度や定着率も個人差が生じがちです。
一方、リファラル採用では従業員が紹介者の適性を見たうえで自社へ推薦しているため、即戦力度や定着率が高くなりやすい傾向にあります。また、出戻り採用では元従業員ということもあり、自社の業務・文化を理解していることから、即戦力度・定着率がより高くなりやすいといえます。

なお、即戦力を求めるなら経験者・有資格者の採用が有力ですが、求める人材像に合致した人を集めるには相応の工夫が必要です。経験者・有資格者の採用ポイントや成功事例について知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

メリット・デメリットの違い

縁故採用・リファラル採用・出戻り採用におけるメリット・デメリットは、それぞれ下表の通りです。

【メリット】
縁故採用 ・採用コストがほぼ必要ない
・信頼関係が前提にあるため、安心感がある
・紹介者と被紹介者の関係性で責任感が生まれやすい
リファラル採用 ・求人広告費や人材紹介費を削減できる
・適性の高い人材を獲得しやすい
・紹介者がフォローするため、定着率が高まりやすい
出戻り採用 ・業務知識や企業文化を理解しており、即戦力として期待できる
・離職後の経験やスキルを自社に持ち込んでもらえる
・明確な入社意識があるため、定着しやすい
【デメリット】
縁故採用 ・公平性や透明性が欠けやすい
・スキルなどでミスマッチが起きやすい
・職場の人間関係に 軋轢(あつれき)を生む恐れがある
リファラル採用 ・紹介者へのインセンティブコストが発生する
・従業員の人的ネットワークに依存する
出戻り採用 ・自社に退職へ至った原因があった場合、解決していないと再離職の可能性がある
・元従業員として優遇しすぎると、不公平感が出やすい

以上を踏まえると、縁故採用は地域密着型や家族経営の中小企業など、信頼ベースで人を選ぶ企業におすすめです。リファラル採用はマッチ度が高い人材を低コストで獲得したい場合が良いでしょう。また、出戻り採用は離職後も関係を維持できており、人材育成コストをできるだけ抑えたい企業に向いています。
ただし、いずれの手法も、ある程度の人数を一気に獲得したい場合には不向きです。大量採用ならではのポイントについて知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

縁故採用・リファラル採用・出戻り採用を成功させるポイント

ここでは、以下3つにおける成功ポイントを解説します。


なお、弊社ユウミではリファラル採用などはもちろん、求人広告や人材紹介会社など多様な方法を活用しながら、中小企業の採用活動を支援しております。支援エリアは全国におよびますので、「求人を出しているのに、なかなか採用できない」という状態から抜け出したい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

縁故採用を成功させるポイント

縁故採用を成功させるポイントは、主に以下の4つです。


縁故採用では採用プロセスよりもむしろ、「採用後の評価と職場への説明」が重要になってきます。従業員が不公平感をもつことで職場の雰囲気や生産性が悪くならないよう、透明性を重視した対応を心がけましょう。
なお、縁故採用では紹介者と被紹介者の関係性に注意が必要です。関係が近すぎる、あるいは紹介した恩を理由にパワーバランスが崩れると、パワハラやセクハラが発生しかねません。直接的な上下関係に置かないよう配慮したうえで、紹介者以外の第三者が定期的にフォローできるような体制を整えておくことが大切です。

リファラル採用を成功させるポイント

リファラル採用を成功させるポイントは、主に以下の5つです。


褒賞は採用に成功したときや、応募があったときなどに与えるようにすると、紹介の活発化につながりやすくなります。被紹介者にも支払うことで、リファラル採用に平等・公正なイメージがつき、より紹介が増える傾向にあります。

とはいえ、年中対応していると当たり前になってマンネリ化しかねません。そのため、「〇月〜〇月はリファラル採用について、〇〇というキャンペーンをします」と時期を絞ることも大切です。
また、リファラル採用の目的や目標を社長が社員へ伝えることで、お金をもらって紹介することへの抵抗感を減らせます。「そういうことなら」と頑張って動いてくれる人も増えるので、リファラル採用を強化したい会社はトップ自ら戦略的に動きましょう。

出戻り採用を成功させるポイント

出戻り採用を成功させるポイントは、主に以下の4つです。


最近では、退職した人たちがコミュニティを維持して、出戻りを支援するサービスを提供している会社もあります。
ただし、会社との関係性にヒビが入っていると、「また働きたい」と出戻りを考える可能性は低くなってしまいます。そのため、退職するときは揉めないよう、「去る者は追わず」のスタンスも心がけましょう。

また、同じく声がかかるとしても、同僚からと先輩から、上司からでは印象がまったく異なります。出戻り採用を成功させたい場合は、また連絡したくなる関係性を維持すると同時に、退職した人に誰が声をかけるかを決めておくことも大切です。

縁故・リファラル・出戻りで採用した従業員の早期退職を防ぐコツ

縁故採用・リファラル採用・出戻り採用で入社した従業員の早期退職を防ぐコツは、下表のように退職理由ごとで異なります。

早期退職の理由 防止対策の例
ミスマッチ ・自社のスタンス・価値観・採用の意図を事前に伝える
・原価意識を持たせる
育成体制の不備 ・入社後に関わる人を採用フローに巻き込んで、自覚を持たせる
・時期別の離職理由を把握して、関わり方を検討しておく
人間関係 ・メンターとの相性をすり合わせる
・時期別の離職理由を把握して、関わり方を検討しておく

定着率が比較的高い採用手法ではあるものの、社内環境の整備をおろそかにしていると、せっかく獲得した優秀な人材を逃しかねません。早期退職でよくある原因や防止対策の詳細について知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

質問②:既存従業員の不公平感をなくすために必要なことは?

縁故採用・リファラル採用・出戻り採用で既存従業員の不公平感をなくすためには、採用した従業員を特別扱いしないことが大切です。選考基準はもちろん、人事評価なども既存従業員とそろえましょう。
また、既存従業員に対して、採用活動の状況や採用理由をあらかじめ説明しておくことも重要です。新しい従業員が入っても公平に扱われるという納得感を得られれば、既存従業員の士気は下がらず、かつ人員の補充により社内全体の生産性が上がりやすくなるでしょう。

縁故採用・リファラル採用・出戻り採用はいずれも「人の縁」を大切にした手法

縁故・リファラル・出戻りは、知人や友人など人の縁から新たな採用者を生み出す手法です。既存従業員はもちろん、採用者や離職者との縁も大切にすることで、より優秀な人材を獲得しやすくなるでしょう。

なお、弊社ユウミでは「採用力=企業力×戦略力×改善力」という定義のもと、特に見落とされがちな「戦略力」と「改善力」に注目して支援しています。過去4年で130社をサポートし、顧客満足度・採用成功率ともに97%以上です。リファラル採用などの活用で即戦力となる人材を確保したい方は、ぜひ一度ご相談ください。

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