2025年04月14日

求職者が求人情報を閲覧する際、まず目にするのはタイトルと写真です。ここで魅力を感じないと、求人原稿の中身まで見ようとはしません。そのため、求人原稿の改善で応募率を上げたいときには、タイトルと写真も同時に変える必要があります。
この記事では求人のタイトル・写真における重要性を踏まえながら、具体的な決め方や撮り方を解説します。採用支援成功率97%のユウミが培ったノウハウに基づいて、タイトル・写真の改善事例もあわせて紹介するので、中小企業の人事担当者や採用担当者の方はぜひ参考にしてください。
採用における求人原稿のタイトルと写真~釣りにおける釣り餌~
弊社ユウミでは採用戦略の要素を釣りに例えた「釣り理論」に基づいて、改善すべき点を洗い出しています。求人のタイトル・写真は、「釣り餌」に該当する考え方です。
ここでは、釣り理論におけるタイトル・写真の立ち位置について、見ていきましょう。なお、釣り理論全体を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
釣り理論における求人原稿のタイトルと写真の立ち位置
釣り理論に含まれる要素は、下図の5つです。


このうち、求人のタイトル・写真は狙った魚に食いつかせる「釣り餌」にあたります。どれだけ良い釣り竿があっても、釣り餌が魚に合っていなければ食いつかず、釣りは成功しません。
採用活動も同様に、タイトル・写真でターゲット人材の興味関心を引き出せなければ、たとえ求人原稿が魅力的でも応募数は上がりにくくなります。「求人を出しているのに、なかなか応募が来ない」という場合は原稿の中身はもちろん、タイトルや写真も改善すべき点はないかチェックすることが大切です。
求人原稿そのものは釣り竿
求人原稿は、釣り理論の「釣り竿」にあたります。前述した内容とは逆に、たとえ求人タイトル・写真が魅力的でも、求人原稿がターゲット人材の心に刺さらなければ応募にはつながりません。つまり、求人原稿と求人タイトル・写真は、切っても切り離せない関係なのです。心に刺さる求人原稿にするためには、以下のようなポイントを押さえる必要があります。
- 「企業の強み≠求職者にとっての魅力」を理解する
- 公開調査データを活用する
- 自社の社員にインタビューする など
求人原稿の作り方や改善事例について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
求人原稿のタイトルと写真の重要性
求人のタイトルと写真を改善すると、ターゲット人材に与える印象も大きく変わる可能性があります。例えば、機械オペレーターの求人例を見てみましょう。

上図のうち、左の求人のみ3人から応募があり、「人気」表示も付きました。成果の違いが生まれたのは、求人のタイトル・写真が与える印象が異なったためと推測されます。具体的に左と右の求人について、未経験者が見たときの印象を考えてみましょう。
左の求人 | 右の求人 | |
---|---|---|
タイトル | 「金属を曲げたり、切ったりする仕事かな」 | 「何をするのか、よく分からない」 「難しそう……」 |
写真 | 「先輩が教えてくれるんだ」 「未経験の自分でも挑戦できそう」 |
「複雑そうな機械をいじっている……」 |
このようにタイトルと写真は見た人の印象に大きく影響し、応募意欲も左右します。求人原稿を改善した場合は求職者に見てもらう機会を増やせるよう、タイトルや写真も同時に見直しましょう。
【実践】求人原稿のタイトルの付け方~「どのような職種か」を一言で表す~
タイトルでは以下のように会社の良さやイメージが伝わる一言を添えると、求人のクリック率が上がりやすくなります。
- 未経験枠
- 人間関係で悩まない
- 都内メイン 直行直帰可 など
また、求人一覧で表示される給与も重要な要素の1つです。ここでは、以下の2つを解説します。
- 釣り餌になる給与設定とその表現
- 求人タイトルの改善事例
それぞれ詳しく見ていきましょう。
釣り餌になる給与設定とその表現
給与設定と求人での表現で押さえたいポイントは、以下の2つです。
- 経験者は給与の下限を見る
- 給与設定が異なるなら、求人を分ける
例えば、「月給23.3万円〜46.0万円」と設定された求人を経験者が見た場合、応募につながる可能性は低くなります。多くの方は下限の23.3万円を見て、「自分の経験からすると給与が低いし、実際にいくらもらえるか分からない」と感じてしまうためです。
したがって、経験の有無や程度などによって入社時の給与が異なる場合は、はじめから求人を分けることをおすすめします。ターゲット人材の設定方法やコツについて振り返りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
求人タイトルの改善事例
下図は、広告代理店のBPO提案営業に関する求人です。


下表のように、ターゲット人材ごとで求人タイトルと給与設定にバリエーションを持たせました。
広告代理店の企画営業(既存顧客のみ) | BPO提案営業 | |
---|---|---|
ターゲット | BPO未経験ではあるものの、広告代理店での営業経験がある方 | BPOの経験がある方 |
給与 | 30.0万円~45.0万円 | 37.5万円~45.0万円 |
応募者の例 | 印刷会社でディレクターをしていた30代半ばの方 | BPO経験が豊富な40代の方 |
このように、応募者の層も求人の書き方でまったく異なってきます。ターゲット人材が複数いる場合は、給与設定もそれぞれ書き分けましょう。なお、求人媒体によっては、以下のようにバリエーションを持たせることが難しいケースもあります。
- 同じ内容を複数のバリエーションで出稿することを禁じる
- 似たような求人を出すと、類似のものとしてまとめられる など
出稿媒体のルールを守りながら、できる範囲でタイトルの改善に取り組みましょう。
【実践】求人用の写真の撮り方~写真撮影マニュアル付き~
求人の写真は綺麗すぎると、「自分には合わなそう」と敬遠されかねません。そのため、求人に載せる写真は、「綺麗さ」よりも「リアルさ」を大切にしましょう。プロのカメラマンに頼むよりは、スマホで撮るほうがむしろ親しみを感じる写真に仕上がります。自然でリラックスした表情を撮るためのポイントは、以下の通りです。
- トークを交えながら撮影をする
- 撮影者自身が楽しそうにする
- 振り付けと声かけをしてもらう※
- 「笑顔3割増しでお願いします」と伝える
- 5秒ほど連写して笑いを取る
- 1枚撮るごとに大きく褒める など
※「えいえいお~」や「いないいないばぁっ!」、思い切りのジャンプ&ピースなど
求人用写真の改善事例
下図は、弊社ユウミで採用支援コンサルタントを募集したときの写真です。


タイトルや中身を変えず、求人一覧に表示される1枚目の写真を差し替えたところ、応募者の属性に下表のような変化がありました。
応募総数 | 男女の比率()内は女性率 | 年齢の中央値 | |
---|---|---|---|
Before | 23件 | 男性:女性=22:1(4%) | 40.0歳 |
After | 25件 | 男性:女性=18:7(28%) | 35.0歳 |
つまり、写真に写った面々と応募者の属性がほぼ一致していたのです。このことから、求人では写真に映る方と同じ層からの応募が多いと推測されます。そのため、求人用の写真を撮影する際は、ターゲット人材を意識した被写体を選びましょう。
求人タイトルと写真以外の要素も重要
求人のタイトルと写真は、求人原稿へと求職者を導く重要な要素です。とはいえ、採用がうまくいかない場合は、タイトルや写真以外にも以下のような要素に課題が残っているケースもあります。
- 採用チャネル
- 使用媒体
- 対応スピード など
釣り理論には釣り餌に位置するタイトル・写真以外にも、さまざまな要素があります。その他の要素について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。