2025年07月23日

採用活動の成功とは入社した人材が自社に定着し、活躍し続ける状態を指します。採用の失敗から抜け出せない企業は求人応募数にばかり目を向けがちですが、改善すべきはそこだけではありません。
この記事では100社以上の採用支援実績がある弊社ユウミの経験をもとに、採用が成功しやすい企業の特徴を解説します。「採用できない企業はない」と言える理由や成功事例もあわせて紹介するので、中小企業の人事担当者や採用担当者の方はぜひ参考にしてください。
採用が成功しやすい企業に共通する10の特徴
採用が成功しやすい企業の共通点は、下表の通りです。
採用に対する意識 | ・採用は簡単だと思っていない ・採用ハードルは下げるが、妥協はしない ・採用の仕事が「面白い」「楽しい」と思えている |
社長や上層部の姿勢 | ・経営者が「採用コスト」を「投資」と考えている ・経営層や幹部層が積極的に採用に関わっている ・社長や幹部の人柄に魅力がある ・社長が忙しすぎない |
社内の人員体制 | ・採用活動を実行できる人がいる ・1人ではなく、会社として取り組む ・人材関連の定期的なミーティングがある |
なお、新卒・中途採用でよくある失敗例について振り返りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
採用に対する意識
成功しやすい企業に共通する「採用に対する意識」は、以下の3つです。


それぞれ詳しく見ていきましょう。
特徴①:採用は簡単だと思っていない
「採用は簡単ではない」と考えている点は、採用が成功する企業で共通する最大の特徴です。一方、採用に失敗しやすい会社は「Indeedなど、求人媒体に出稿すればできる」と思いがちです。
しかし、採用活動には「これをやれば、誰でも簡単にできる」といったウルトラCの手法はありません。コツコツと試行錯誤しながら、自社ならではの最適解を見つけようとする姿勢は、採用が成功しやすい企業の基本的な特徴といえるでしょう。
特徴②:採用ハードルは下げるが、妥協はしない
採用ハードルを下げても妥協はしないという点も、採用が成功しやすい企業の共通点です。さまざまな業界で人材不足が叫ばれている分、「妥協すれば、人数だけは確保できるのでは」と考える採用担当者もいるでしょう。しかし、妥協は定着率の悪化だけではなく、社内の雰囲気にも悪影響を与えかねません。
「入社した人材が活躍する」という真の意味で採用を成功させるためにも、応募者を見極める際は「自社に2年間定着しそうか」という視点を大切にしましょう。
人材要件の決め方や具体的な例について知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
特徴③:採用の仕事が「面白い」「楽しい」と思えている
採用が成功しやすい企業の特徴として、担当者が「楽しい」「面白い」と思えている点も挙げられます。弊社ユウミにおいても、ターゲット像に合わせた求人原稿が奏功し、入社という目に見える成果があると、面白さとともに喜ばしい気持ちを感じます。逆に、採用の仕事はつらい・苦しいという想いが強いと、その雰囲気は求職者へ伝わり、結果として失敗してしまいます。次項で紹介する「社長や上層部の姿勢」にも共通しますが、楽しく仕事をしている人には惹きつけられるものです。採用活動も同様に、前向きな気持ちで取り組みましょう。
社長や上層部の姿勢
採用が成功しやすい企業に共通する「社長や上層部の姿勢」は、以下の4つです。


それぞれ詳しく見ていきましょう。
特徴①:経営者が「採用コスト」を「投資」と考えている
採用が成功しやすい会社の経営者は、採用にかかる費用を「コスト」ではなく「投資」として、適切なお金のかけ方ができています。採用を通じて人員を確保できれば、受注数や売上が上がります。
つまり、採用が成功しやすい企業の経営者は、「採用は先行投資であり、成功すれば収益で回収できる」と理解できているのです。投資ゆえに100%のリターンは難しいものの、「全体を俯瞰して見たときに成功していれば良い」という心構えが経営者には必要だといえるでしょう。
特徴②:経営層や幹部層が積極的に採用に関わっている
採用が成功しやすい企業では、経営層や幹部層も積極的に関わっています。事務や現場に採用活動を丸投げしてしまうと事務的になったり、企業の魅力が伝えきれなかったりと、上手くいかないケースが多いものです。
しかし、経営層や幹部層が採用にしっかり関わることで各工程の意思決定が早まり、面接での惹きつけもしやすくなります。内定へつなげる面接のコツやアフターフォローについて知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
特徴③:社長や幹部の人柄に魅力がある
社長や幹部をはじめとして、従業員の人柄が魅力的である点も、採用が成功しやすい企業に共通する特徴です。実際、会社を辞める理由として人間関係を挙げる方が非常に多いことからも、人員の定着を含めた採用の成否に社内の人間の人柄は大きく影響しています。
逆に言うと、仕事内容や給与面で他社との差別化が難しくても、「社長の人柄が良くて、この人のもとで働きたいと思えた」と採用が成功するケースも少なくありません。そういう意味では採用活動に関わる実務スキルだけではなく、求職者と接する方の人間力を高める努力も欠かせないといえるでしょう。
特徴④:社長が忙しすぎない
採用が成功しやすい企業では、社長が採用活動に向き合える時間を確保しています。以下のような事態が起きると、機会損失によって採用が失敗すると理解しているためです。
- 求人媒体への登録が先延ばしになる
- 人材紹介会社への返答が遅れてしまう
- 応募が来たものの、面接調整に手間取ってしまう など
社長自らが人材確保の課題を理解して意思決定できる環境を整えることも、採用成功に不可欠といえるでしょう。
社内の人員体制
採用が成功しやすい企業に共通する「社内の人員体制」は、以下の3つです。


なお、弊社ユウミでは人的リソースが足りない企業に対して、採用代行サービスを提供しております。戦略立案・分析といった採用コンサルサービスもございますので、自社で長く活躍してくれる人材を採用したいという方は、お気軽にご相談ください。
特徴①:採用活動を実行できる人がいる
採用活動に注力できる担当者がいるのも、成功しやすい企業に共通しています。例えば、10人の正従業員を採用する場合は、最低1人は専任担当者を確保したいところです。
企業規模が小さくなるほど、社長や事務スタッフなどが採用担当を兼任するケースが増えます。しかし、担当者が本来の業務で忙しすぎると、採用活動はスムーズに進みません。特に多くの人員を確保したい場合は、採用担当者のリソースを確保することが先決といえるでしょう。
特徴②:1人ではなく、会社として取り組む
採用が成功しやすい企業は、社長や採用担当者だけが頑張っているわけではありません。現場も含め、会社全体が一体となって取り組むことも成功要因の1つです。
逆に、採用が失敗しやすい会社では社長が全部担う、あるいは採用担当者だけが一生懸命になっているというケースが多々あります。採用活動における効率・成果の双方をあげるためにも、人員体制の整備とともに社内意識の改善も図りましょう。
特徴③:人材関連の定期的なミーティングがある
採用が成功しやすい企業では、以下に挙げるような形で人材関連の定期的なミーティングがあります。
- 採用会議
- リクルートプロジェクト など
採用の予定や定着に関する課題が話し合われ、解決あるいは意志決定が適宜行われているのです。結果として深刻な人員不足へ陥る前に先手を打ち、将来を見越した採用活動ができています。
「採用できない企業はない」と言える3つの理由
過去3年で100社以上の採用支援に携わってきた弊社ユウミは、「採用できない企業はない」と断言できます。その理由は、以下の3つです。
- 自社で働いている人がすでにいるため
- 強みがない会社はないため
- 「採用力=企業力」ではないため
それぞれ詳しく見ていきましょう。
理由①:自社で働いている人がすでにいるため


どの企業でも「やり方を間違えなければ、採用は成功する」と断言できるのは、今の条件でやりがいをもって働いている人がすでにいるためです。たとえ労働条件が他社より厳しくとも活躍し続けてくれている背景には、「他社にはない、自社ならではの良さを知っている」ことがあります。
つまり、採用は「『自社ならではの良さ』を、知らない人に届ける活動」とも言い換えられるのです。自社がもつ魅力の見つけ方や訴求方法について知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
理由②:強みがない会社はないため


全国民が働きたいと思う企業がないのと同じように、ブラック企業などでない限りはすべての人が働きたくないと思う企業もありません。求職者によって希望する就業環境や給与条件などは異なり、強みとして感じられる部分も変わってくるためです。
実際、弊社が採用支援した会社には、年間休日が85日というところもありました。しかし、従業員は50代・60代だけではなく、20代・30代と幅広い年代の方が活躍しています。残業が多く基本給がやや低くても働いているのは、「自社に他よりも良いところがある」ということの証拠です。
もちろん、残業を減らす、給料を増やすといった企業努力は必要ですが、必ずしも採用力に直結するわけではありません。年間休日85日を105日にしても、130日の会社には勝てないのは容易に想像できるでしょう。
大切なのは会社の強みを分析したうえで、採用戦略の立案・実行することです。企業力の基礎知識や中小企業がコントロールしやすい要素について知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
理由③:「採用力=企業力」ではないため


採用力は企業力だけで決まるものではなく、むしろ戦略と実行が成功・失敗に大きく影響します。たとえ企業力が低かったとしても、戦略と実行を着実に積み重ねれば、採用力を底上げできます。
企業力が低いという不安がある場合は「行動でカバーできる部分」の力を高め、採用成功につなげていきましょう。採用力の基礎知識や伸ばし方について知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
【弊社支援】地方の中小企業における採用成功事例
長野県で募集した経理事務の採用活動では、実態調査などをもとに同エリアでの採用難易度や転職候補数を推算しました。




以上から、閲覧数200回で1応募と仮定すれば、7応募は見込める、つまり1か月で採用まで届きそうだということが分かりました。最終的に1か月ほどで6人〜7人の応募があり、1人採用できています。
このように、採用活動ではデータも踏まえながら、地道な調査・分析や求人原稿の作成などが必要です。また、応募があった際には確実に面接・内定へつなげられるよう、細やかなサポートも大切になってきます。
本記事で紹介した「採用が成功しやすい企業に共通する10の特徴」は、このような各工程の効率と成果を上げるうえで重要かつ見習いたいポイントを抽出したものといえるでしょう。採用ターゲットの決め方や成功事例について詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
努力の方向性を間違えなければ採用は必ず成功する
採用における自社の課題と強みを分析し、戦略と実行に注力できれば、どの会社でも採用は成功すると弊社ユウミでは考えております。「うちは給料が低いから採用できないんだ」と悲観的になっている方は一度立ち止まり、実際に今活躍してくれている従業員の声に耳を傾けてみましょう。
なお、弊社ユウミでは「採用力=企業力×戦略力×改善力」という定義のもと、特に見落とされがちな「戦略力」と「改善力」に注目して支援しています。過去4年で120社をサポートし、顧客満足度・採用成功率ともに97%以上です。「今度こそ、採用活動を成功させたい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。