2025年06月11日

採用活動で確実に入社数を増やすためには、応募者対応も重要な工程の1つです。せっかく求人への応募が集まっても、対応がぞんざいで遅い状態では、選考辞退などによって求職者が自社から離れてしまいます。
この記事では採用支援成功率97%のユウミが培ったノウハウに基づいて、応募者対応の実情や重要性を解説します。実践的なポイントもチェックリスト付きであわせて紹介するので、中小企業の人事担当者や採用担当者の方はぜひ参考にしてください。。
採用における応募者対応とは~釣りにおける釣上げ~
応募者対応は採用戦略の要素を釣りに例えた「釣り理論」において、「釣り方」に該当する考え方です。ここでは、釣り理論における求人原稿の立ち位置について振り返りましょう。
なお、釣り理論全体を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
釣り理論におけるスピード感のある応募者対応の立ち位置
釣り理論の各要素は、下図の通りです。


上図からも分かる通り、釣上げは釣り理論において最終段階、いわば仕上げの工程です。具体的には魚(採用ターゲット)が餌に食いついたあと、いかにして逃がさずに釣るかを考えます。
釣る魚~釣り堀をきちんと整理すると、求人への応募は確実に増えます。しかし、そこで安心して応募者対応がおざなりになってしまうと、求職者はすぐに自社から離れてしまいます。実際にどれくらいの求職者が選考辞退に至るのか、次項で確認していきましょう。
データから見る応募者対応で重要なポイント
ここでは、応募者対応を考える際に押さえておきたい実情について、3つ紹介します。
- 選考辞退の経験がある転職者は約6割
- 面接前の段階で約4割が「他社の選考が通過したで選考辞退
- 面接後の段階で約3割が「雰囲気が悪い」「面接官の態度が悪い」で選考辞退
それぞれ詳しく見ていきましょう。
選考辞退の経験がある転職者は約6割
面接を受けたものの「この会社に入社したくない」と思ったことがある転職者は85.2%、転職活動で選考辞退した経験がある方は約60%にものぼっています。「この会社に入社したくない」と感じた方の相当数が、実際に選考を辞退している状況です。


>>引用:人事のミカタ「採用の成否は面接官が握る!求職者700人のホンネ!マズイ面接官、ファンをつくる面接官」
※エン・ジャパンは自社で運営する転職サイト『エン転職』を通じて、採用ノウハウを伝えている


>>引用:エン・ジャパン「8000人に聞いた「選考辞退」の実態調査-『エン転職』ユーザーアンケート-」
※エン・ジャパンは自社で運営する転職サイト『エン転職』を通じて、採用ノウハウを伝えている
なお、選考辞退数は1社〜3社が約8割ですが、4社以上という回答も少なくありません。このようなデータからも現代の転職者は複数の会社を受けて、その中から入社先を選ぶ時代になっていることが分かります。
面接前の段階で約4割が「他社の選考が通過した」で選考辞退
面接前に選考を辞退した理由で最も多いのは、「他社の選考が通過した」というものです。求職者側としても転職には不安があるため、「真っ先に自分を求めてくれた会社に行きたい」という気持ちがあることが分かります。


>>引用:エン・ジャパン「8000人に聞いた「選考辞退」の実態調査-『エン転職』ユーザーアンケート-」
※エン・ジャパンは自社で運営する転職サイト『エン転職』を通じて、採用ノウハウを伝えている
つまり、自社の選考辞退を防ぐためには、他社の内定承諾よりも早く対応することが重要です。メールや電話で迅速に応募対応するのはもちろん、集まっている応募数が少ない場合は求職者1人ひとりに対してヒアリングや惹きつけをしたりといった初期対応が必要になってきます。
面接後の段階で約3割が「雰囲気が悪い」「面接官の態度が悪い」で選考辞退
面接後に選考を辞退した理由の中で注目すべきは、「雰囲気が悪かった」「面接官の態度が悪かった」というものです。応募意欲が高い方の印象を悪くして、選考を辞退させてしまっているのです。


>>引用:エン・ジャパン「8000人に聞いた「選考辞退」の実態調査-『エン転職』ユーザーアンケート-」
※エン・ジャパンは自社で運営する転職サイト『エン転職』を通じて、採用ノウハウを伝えている
なお、内定承諾後の辞退も面接後と同様に、雰囲気の悪さなどが悪影響を与えています。また、他社に魅力で負けてしまった、あるいは伝えきれていなかった点も主な原因です。自社の魅力を再発見し求職者へ訴求するコツについて知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。
【実践】面接対応のポイント
面接対応で押さえたい主なポイントは、以下の2つです。
- 面接は「マッチング」であることを理解する
- 「人対人」のコミュニケーションを大切にする
なお、面接対応も含め、採用活動における課題抽出や具体的な対策について知りたい方は、ぜひ一度弊社へご相談ください。
ポイント①:面接は「マッチング」であることを理解する
多くの面接は、求職者へ一方的に質問をする「企業側が相手を見極める場所」になりがちです。しかし、求職者の心を惹きつけて採用につなげるためには、「面接=企業と求職者がマッチングする場所」と認識を改める必要があります。


双方向のコミュニケーションを通して互いの疑問や不安を解消できれば、「この人に入社してもらいたい」「ここで働きたい」という気持ちになれます。採用活動のゴールが入社ではなく、入社後も継続して活躍し続ける人の獲得であることも考えると、面接によるニーズのマッチングは非常に重要な工程といえるでしょう。
ポイント②:「人対人」のコミュニケーションを大切にする
面接の際は求人応募を受け付けた企業として上から目線になるのではなく、「人対人」のコミュニケーションを大切にしてください。前述の実態調査からも分かる通り、面接の雰囲気や面接官の態度が悪いと選考辞退につながりかねないためです。
面接を通して求職者とコミュニケーションを深めるためには、面接中はもちろん、前後の対応も大切になります。具体的なチェックポイントは、下図の通りです。


特に面接官から自己紹介したり、自分が入社した理由ややりがいなどを伝えたりすると求職者は親近感がわき、面接に対して前向きな気持ちでのぞみやすくなるでしょう。
面接前後の応募者対応もスピーディーかつ丁寧に
面接前後の応募者対応としては、以下も重要なポイントです。
- スピーディーなレスポンスを心がける
- 面接前に面談や会社見学を実施する
- 面接担当者を育成する
- 面接担当とリクルーターとで役割を分ける
リクルーターには、面接後に求職者のアフターフォローを行う役割もあります。「面接、どうだった?」と応募者をサポートすることは、新卒採用・中途採用問わず大切な対応です。
また、求職者が他社在職中のケースも多いため、面接方法や時間の工夫も必要です。夜間や土日にも面接を行う、オンラインでの面接を導入するなど柔軟かつ丁寧な対応を心がけましょう。
応募者対応は面接以外でも多角的な支援を
せっかく面接を無事に終えたにもかかわらず、「内定辞退になってしまった」とならないためには、下表のような支援も重要です。
具体策の例 | |
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家族説明時のフォロー |
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現職退職時のフォロー |
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引っ越し時のフォロー |
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特に注意したいのが、内定承諾後の「家族ブロック」です。親や配偶者などの家族から反対されて、内定辞退となるケースも珍しくありません。
特に地方の中小企業では自社ホームページがないために情報を得られず、「この会社に転職して、本当に大丈夫なの?」と心配されがちです。そのため、Web上ではホームページ、対面では紙媒体の企業パンフレットをきちんと準備し、応募者だけではなく家族の安心と信頼を獲得できる体制を整えましょう。
応募者対応以外の要素も重要
応募者対応では自社へ関心をもつ求職者の心が離れないよう、迅速かつ丁寧な関わりが必要です。面接での雰囲気が良く、他社よりも素早く内定を出せれば、求人応募者は「自分を求めてくれた」と前向きな気持ちで入社してくれます。 とはいえ、採用がうまくいかない場合は、応募者対応以外にも以下のような要素に課題が残っているケースもあります。
釣り理論には釣り方に位置する応募者対応以外にも、さまざまな要素があります。その他の要素について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。