【中小企業向け】採用の成功率を左右する企業力とは?伸ばし方も解説

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【中小企業向け】採用の成功率を左右する企業力とは?伸ばし方も解説

2025年03月21日

【中小企業向け】採用の成功率を左右する企業力とは?伸ばし方も解説

企業力とはブランド力や安定性など、自社の総合的な能力を示す言葉です。採用活動においては「企業力が高ければ、求職者が集まりやすい」と考える方も多いでしょう。しかし、企業力が低くても、自社の「魅せ方」を工夫することで採用の成功率は格段に上がります。

この記事では企業力とは何か、7つの要素に分けて解説します。「企業力が高い」と求職者に感じてもらえる自社の見せ方もあわせて紹介するので、中小企業の人事担当者や採用担当者の方はぜひ参考にしてください。

【編著者】小口正史

株式会社日本経営や株式会社リクルートキャリア(現・株式会社リクルート)で、採用支援コンサルティング等に従事。福祉事業の開業支援コンサルティングを経て、採用コンサルティングの株式会社IKI&IKIに取締役として参画後、ユウミを設立。

独自理論による採用手法で、人口減少地域や高難易度職種の採用を次々に成功。過去3年で100社を支援し、顧客満足度・採用成功率ともに97%以上。現在スタッフ23名、随時45社ほどの企業様を継続支援し、多くの実績を上げている。

企業力とは?企業の採用成功に必要な7つの要素

企業力を細分化すると、下表に挙げる7つの要素になります。


ここではそれぞれ何を示すのか、詳しく見ていきましょう。なお、弊社ユウミでは「採用力=企業力×戦略力×改善力」と定義しています。


採用力の基礎知識や目標を下回っている場合の解決策について知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

「【中小企業向け】採用力を高める実践ガイド〜採用達成率97%のプロが伝授〜」

(1):業界

業界は、求職者が応募先を決める際に判断材料とする要素の1つです。特に採用が成功しやすいのは、成長業界や安定業界と呼べる業界です。ただし、同じ業界であっても成長性や安定性は会社によって異なります。
詳しい例について知りたい方は、後述の「Case1.業界の見せ方」をチェックしてみてください。

(2):仕事内容

採用につながりやすい仕事内容としては、以下の3つが挙げられます。

「そもそも人気がある仕事なら、求職者が集まりやすい」「簡単な仕事なら、人を選ばず採用しやすい」という一般的な話です。 例えば、未経験でも挑戦しやすい一般事務は人気があり、応募が集まりやすい傾向にあります。また、資格の取得や級数のアップなど、仕事に必要なスキルを客観的に評価できる仕事は自己成長が分かりやすい分、採用成功率とともに定着率の向上も期待できるでしょう。

(3):企業ブランド

以下のように呼べる企業ブランドは、採用力にも寄与します。

しかし、企業ブランドが低いからといって、ネガティブに思う必要はありません。後述でも紹介しますが、ブランドをはじめとした企業力で他社に勝てないとしても、戦略力と改善力でカバーすることで採用力は向上できます。 まずは自己認識として企業ブランドはどの程度であるかを理解し、他の項目でどの程度カバーすべきかを把握しましょう。

(4):企業安定性

「安定性」はあいまいな言葉ですが、弊社ユウミでは以下のような会社を指すと定義しています。

特に近年の20代〜30代は、「安定性」が会社選びにおける第1の軸となってきています。「事業が長く続いているようだし、将来性もあるだろう」と感じられると、安定を求める求職者は自社に対して魅力を感じやすくなるでしょう。

(5):給与待遇

「給与・賞与が高い」「休日が多い」といった給与待遇面は、他社との差が分かりやすく出やすい部分です。また、福利厚生については自社内では当たり前で求人票に載せてないものでも、以下のように求職者から見ると意外性があり、充実して見えるケースもあります。

独自の福利厚生が求職者に好印象を与える場合もあるため、固定観念を捨てて自社を見つめ直す機会を持つことも大切です。

(6):労働環境

同じ給料でも、オフィスや工場などが綺麗なほうが応募者は集まりやすい傾向にあります。また、体力に左右されない労働環境であれば、体力に不安がある方でも応募しやすい分、採用難易度が下がります。
なお、人間関係は職場選びの基準にならないケースが多いものの、退職理由としては筆頭に上がる要素です。「採用の成功=採用した人材が定着して、自社で活躍し続けること」と考えると、人間関係に問題はないか、風通しは悪くないかも振り返るべきでしょう。

(7):社内リソース

採用活動に携わる人員の確保も、企業力として評価できる要素の1つです。特に注意したいのは、現場と採用担当とで部署が異なる場合です。このようなケースでは、部署間をつないでコミュニケーションやすり合わせができる採用担当者が必須となります。
「今度こそ、確実に採用したい」という場合は、社内リソースを増やすことを検討しましょう。

中小企業の場合は企業力よりも戦略力や改善力が大事

「企業力」のうち、「社内リソース」以外は自社でのコントロールが難しい要素です。例えば、「業界」「仕事内容」「企業ブランド」は容易に変えられず、「安定性」は外的要因にも左右されます。また、「給与待遇」「労働環境」については、改善に向けて努力することは大切なものの、それだけで採用力が上がるわけではありません。 そのため、「企業力」で大企業に勝ちにくい中小企業の場合は、工夫次第で確実に向上が見込まれる「戦略力」や「改善力」の強化がより重要になります。まずは自社の企業力がどれくらいあるのか、下表のチェックリストにある小項目を1つずつ確認してみてください。

小項目(Yes/Noでチェック)
業界
  • 「人気業界」と言える
  • 「成長業界」と言える
  • 「安定業界」と言える
仕事内容
  • 「人気がある仕事」「やりがいのある仕事」と言える
  • 「採用難易度が低い職種(※)」と言える
  • 「仕事を通じて自己成長できる」と言える
企業ブランド
  • 「有名企業」と言える
  • 「大企業」と言える
  • 「地元優良企業」と言える
企業安定性
  • 創業歴や黒字歴が長い
  • ビジネスモデルに安定性がある
  • 将来性がある
給与待遇
  • 給与・賞与・手当が良い
  • 残業が少ない・休日が多い・有給休暇が取りやすい
  • 福利厚生や教育研修が充実している
労働環境
  • 施設衛生が良い
  • 体力に左右されない
  • 人間関係が良い
社内リソース
  • 採用活動を実行できる担当者がいる
  • 採用について正しい知見や適切な判断力のある責任者がいる
  • 現場の部署と採用担当部署をつなぎ、適切なコミュニケーションと方向性のすり合わせができる担当者がいる

※年齢制限や経験要件、資格要件が少ない


「No」が多く、企業力があまり高くないといえる状況であれば、戦略力・改善力の強化にリソースを割くようにしましょう。特に重要な採用戦略の立て方やポイントについて知りたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください

「【中小企業向け】採用戦略の立て方と実践的フレームワーク」

【具体例付き】企業力を上げるには?テクニックを紹介

企業力が高い・低いという印象は、見せ方によっても変わってきます。ここでは、具体的な例を3つ紹介します。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Case1.業界の見せ方

例えば、一口に半導体業界と言っても、以下のようにさまざまな会社が存在します。


半導体業界は一時期、成長性や将来性が高いと人気の業界でしたが、2021年以降は世情の変化に伴い急激に勢いが落ちました。しかし、3つ目の会社は半導体業界であると同時に精密製造業であるがゆえに、見せ方を工夫すれば引き続き安定性などをアピールできます。
このように立ち位置によって業界の見せ方が変わるため、採用活動では自社の現状を正確に把握したうえでイメージアップにつながる表現を使うことが大切です。

Case2.仕事内容の見せ方

同じ仕事内容であっても、表現を変えることで印象が異なるケースも多々あります。例えば、「機械オペレーター」は製造業の経験者からするとごく当たり前の仕事内容です。しかし、未経験者は「難しそう」と身構えて求人に応募しにくくなります。 一方、「金属加工スタッフ」であれば、未経験者からも「金属を曲げたり、切ったりする仕事かな」とイメージがわきやすくなります。先輩社員が操作を教えているような写真もあると、「未経験の自分でも挑戦できそう」と求人応募に対する心理的ハードルが下がるでしょう。
仕事内容は変えられない企業力の1つですが、「業界の見せ方」と同様に表現次第で求職者に与える印象が異なります。特に求人タイトルや写真は仕事内容の見せ方に大きく影響するため、経験者・未経験者など求める人材像に合わせて工夫することが大切です。

求人タイトルや写真のポイントについて知りたい方は、こちらの記事もあわせてチェックしてみてください。

「【中小企業向け】求人タイトルの決め方と採用に効果的な写真の撮り方〜実践的ガイド〜」

Case3.企業ブランドの見せ方

企業ブランドの大小は、判断軸を「自社がある地域」にすると見え方が変わってきます。例えば、500人規模の会社があったとしましょう。全国で考えると数千人規模の会社もあることから、一概に大手とは言えません。しかし、数十人規模の会社も多い地方で考えると、大手と感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、同エリアの競合他社よりも企業規模が大きいにもかかわらず、その点をアピールせずに終わっている会社がほとんどです。実際、地方のある中小企業は500人規模でしたが、3,000人規模の企業から下請けをしていたがゆえに「うちが大手なんて、とても言えません」と謙遜していました。
「地方の大手企業」という見せ方ができれば、「地元で安定して働ける」と求職者は魅力を感じます。企業ブランドの見せ方を考える際は自社がある地域の状況を踏まえ、求職者目線で魅力を感じる点を言語化しましょう。

中小企業の採用力を高めるカギは戦略力と改善力

企業力はコントロールが難しい要素が多いうえ、中小企業の場合は大企業に勝てない部分もあります。だからといって、「企業力が低い=採用できない」というわけではありません。「採用力=企業力×戦略力×改善力」の方程式からも分かる通り、戦略力と改善力の強化によって採用力の底上げが可能となります。
リソースが限られる中小企業で戦略力と改善力を上げたい場合は、採用支援サービスの利用がおすすめです。弊社ユウミでは過去3年で100社をサポートし、顧客満足度・採用成功率ともに97%以上を誇ります。自社の戦略力・改善力を強化して採用を成功させたい方は、無料相談からお気軽にご相談ください。

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